大学教育の現状
現在、18歳人口の中で大学教育を受けている人は、全体の約6割。
「大学全入時代」とも言われるように、選り好みしなければ全員が大学に進学できる時代になっています。
このような状況の中で、大学のあり方に大きな変化が生じています。
一昔前までは、大学といえば、教養を身につけるための場所でした。
しかし今では、看護や福祉などの資格取得を教育の目的とする大学も多くなってきています。
さらに、文部科学省によって、平成31年度より「専門職大学」の創設も決定されています。
===
「専門職大学等」は、大学制度の中に、実践的な職業教育に重点を置いた仕組みとして制度化するものであり、産業界との密接な連携により、専門職業人材の養成強化を図り、また、大学への進学を希望する方にとっても新たな選択肢が広がるものです。
—文部科学省『専門職大学等の概要・特色』より
===
これにより、「大学」というものがさらに多様化していくことになるでしょう。
これは、何のために大学に行くのか、大学で何を学ぶのか、ということが個人レベルで問われるようになってきていることを意味しています。
問題意識をもち、自分で学びをデザインしていく。そういった主体的に学ぶ姿勢が、今、求められているのです。
もちろん、大学側も、そんな個人ごとの学びに対応できるよう、変わっていく必要があるでしょう。端的に言えば、大学教育の質を向上させる、ということです。
そのためには、現在日本の大学が抱えている様々な課題を解決しなければなりません。
そのうちの一つに、ST比の改善が挙げられます。
ST比とは、大学の専任教員1人あたりの学生数を示す数値です。日本の大学は、海外の大学に比べ、この数値が高くなっており、一人一人にきめ細やかな教育を行なっているとは言い難い状況です。
日本の大学では、伝統的に大教室で一人の教員が多くの生徒に対して説明するスタイルの講義が多く行われてきました。こうした形式の講義の是非はここでは論じませんが、学生一人一人の学びが多様化していくであろうこれからの時代において、教員と一対一で話しやすい環境づくりや、少人数授業など、従来とは違った教育を展開することも必要になってきます。ST比を改善することによって、そうしたきめ細やかな指導がしやすい大学へと変わっていくのではないでしょうか。
* * *
時代が変われば、大学に求められる役割も変わります。
これからの時代の大学は、どうあるべきなのか。
私たちは大学で、何をすべきなのか。
11月26日、私たちと一緒に、その答えを探してみませんか。
京都大学でお待ちしています。
参加をご希望の方は、以下のフォームからお申込みいただけます。